2024年11月20日、ベトナム情報通信省が主催したベトナム国際デジタルウィーク2024(IDW 2024)において、VTIのCEOであるTran Xuan Khoi氏は「デジタルビジネスにおけるAI人材の育成とスキルアップ」をテーマに基調講演を行いました。この講演では、先進技術の時代において、成長を遂げるための人材変革に向けた戦略と実践について詳しく述べられました。
人工知能(AI)と生成AIはビジネスの運営、イノベーション、成長のあり方を再定義しています。これらの技術は、業務効率化や顧客エンゲージメントの向上などをサポートし、あらゆる業界で競争力を維持するための重要なツールとなっています。ただし、AIの潜在能力を引き出すためには、技術そのものだけではなく、適切なスキルとマインドセットを備えたAI人材の教育も必要になります。
IDW 2024の第2日に開催した「デジタル人材開発に関する会議」では、世界中のリーダー、政策立案者や革新者が一堂に会し、デジタル人材強化及びAI導入促進に向けた戦略を検討しました。
VTIの戦略的動向:デジタルビジネスでのAI活用
Khoi氏はAIと生成AIの戦略的重要性を重視して世界中の各企業への変革的な影響を強調しました。また、デジタルビジネスにおける AI人材育成 及びスキルアップ方法に関する講演でサービス、ソリューションや事業運営へのAI活用を主張しながら、VTIの人材開発への取り組みについてインサイトを述べていました。
VTIは、世界中で1200名以上の従業員を擁するITサービス業界のリーディングカンパニーの一つであり、AIと生成AIをコア技術として活用しています。①FaceX、②ParkingX、③ReceiptXといったVTI自社製品の開発において、VCopilotはソフトウェア開発ライフサイクル全体でAIアシスタントとしてシーケンス図の生成やコード・テストケースの生成などをサポートし、AIが製品提供とITサービス品質向上にどのように貢献しているかを示しています。
Khoi氏は会議で次のように述べていました。
「VTIはAIを重視する3つのコア技術の1つとして開発を進めています。サービス品質の向上だけではなく、事業運営の効率化にも活用しています。」
業務を効率化し、気が遠くなるような作業や反復作業への手間を削減するために、AIの更新と訓練が行われる。社内では、生産性向上、業務効率化やイノベーション促進を目的として、営業部、マーケティング部や人事部といった部署に対して、AIテキスト音声合成、AI画像生成、HRチャットボットなどのAIツールを導入しています。
AI人材育成 におけるトレーニング、スキルアップとマインド醸成
会議に際し、Khoi氏はAI人材変革に関する実行可能なインサイトについて、以下の重要なポイントを強調していました。
- 現状の課題:AIが人間に取って代わることを恐れています。従業員は、AIが業務効率の向上や専門的な支援を提供する一方で、人間の仕事を代替することはないという信念を持ち続けることが重要である。
- トレーニング・スキルアップのニーズを特定するためのワークフロー:効果的なトレーニングコースを作成するため、次の基本的なステップが必要になります。①各チームのニーズを聴取する、②実践して学ぶ機会を提供する、③各専門分野に応じて学習プランを立てる、④AI中心の組織文化を作り出す
- 継続的な学習文化:従業員がAIに関する最新の記事やコース、ウェビナー情報を共有し、最新のツールと技術、それらをどのように業務に活用するかについて話し合うことができる、学習者に優しいコミュニティを作る。
- オンライントレーニングコースライブラリ:従業員のスキルアップを可能にするAIコースを提供する。
- 模範となるリーダーシップ:リーダーはAI志向を持ち、デジタル変革(DX)の推進においてチームを効果的に指導し、イノベーションへのオープンな姿勢と戦略的思考を促進する必要がある。
- AI倫理と未来志向のビジョン:最新のツールやトレンドだけでなく、デジタルビジネスにおけるAIの進化にも適応でき、AIの活用における倫理と責任(サイバーセキュリティなど)を持つ人材を育成することが重要である。
AI導入に向けた人材育成について、Khoi氏は次のような見解を示しました。
「AIの導入・活用において重要なのは、技術的な知識だけでなく、エンパワーメントや柔軟性、継続的な学習文化を育むマインドセットです。
AIを基盤とした業務運営へ移行していく中で、こうした準備が整った人材こそが、業務効率の向上やイノベーションを推進し、デジタル時代における企業の持続的な成長と新たな価値創造を実現する原動力となるのです。」