AIが私たちの生き方と働き方を根本から変える中、VTIは単に時代の流れに乗るのではなく、技術を活用した企業成長のあり方を再定義する、AI主導の組織づくりに取り組んでいます。弊社にとってAIの導入は、技術革新にとどまらず、組織の内側から始める人間中心の戦略的な変革です。
今回は最高執行責任者(COO)であるDao Thu Hien氏に、VTIが人材育成、企業文化、経営管理、業務革新のあらゆる側面においてどのようにAI技術を導入しているのかについてお話を伺いました。このインタビューにより、VTIの戦略だけではなく、AIを人が主導する組織変革の原動力として活用する明確なビジョンが明らかになりました。
以下のインタビュー動画では、VTIが組織内部からAI活用体制を構築していく戦略について、Hien氏の見解をお聞きください。
VTIにおける戦略的なAI導入
急速に進化する現代のビジネス環境において、AIは単なる潮流を超え、生き残るための戦略となっています。
Hien氏は「VTIでは、AIは競争力を高め、組織内部からの変革を実現する鍵です。意思決定の在り方、業務スピード、そしてお客様へのサービス提供体制など、あらゆる面を変えています。」と説明しました。
VTIは、革新の根幹は「人」にあると考え、AIに特化した人材育成を最優先に取り組んでいます。開発チームに対してAI知識だけではなく、責任を持ってAIを効率的に活用するためのマインドセットと実用的なツールも提供しています。包括的な教育プログラムや社内啓発活動などを実施することで、従業員一人ひとりの能力を伸ばしています。これにより、セキュリティと顧客との信頼関係を重視しながら、AIを活用して生産性を高め、より多くの価値をお客様に提供できます。
AIを企業文化に根付かせる――AI主導の組織づくり
VTIでは、AIは導入される技術にとどまらず、働き方、考え方、そして成長の姿勢に組み込まれた存在となっています。Hien氏によると、AIを軸とした企業文化を築くには、経営層から全社員までの一貫した意思と長期的な視点が不可欠だということです。
教育は極めて重要な役割を果たすと考え、基礎的な理解から実践的な応用までの教育プログラムを提供し、全社員がそれぞれの業務においてAIを適切に活用できるよう支援しています。また、社内にはAI専任部署が設置され、AI搭載アプリの開発や継続的な導入推進を担っています。
しかし、文化の定着は会社方針とツールだけでは実現できません。そのため、プロンプトエンジニアリング社内コンテストや新入社員向けのAI教育プログラムなどを通じて、AIを活用した創造的な取り組みを促進しています。その目的は、AI活用を職場の標準とし、すべての階層で革新的な課題解決を促すことです。
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セキュリティ重視――AI活用での責任ある姿勢
AIは予想もつかない可能性がある一方、同じくらい大きな責任も伴います。データ保護と顧客の信頼が最優先となるテクノロジー企業として、VTIでは責任あるAIの活用が不可欠です。
Hien氏は「AIの不適切な活用により情報漏洩が発生した多くの実例から学び、その対策として、AI導入のあらゆる段階に情報セキュリティを深く組み込んでいます。」と強調しました。
それを実現するためには、VTIは全社員に対して、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する教育プログラムを必須研修としています。この研修は定期的にアップデートされ、年2回程度で実施しています。AIの安全な活用法と実際の被害事例を通じて、受講者がリスク管理とデータ保護の方法を学べるよう工夫されています。
VTIはセキュリティを最優先に考え、変革の推進が安全性の犠牲にならないよう徹底しています。このバランスが、信頼されるソリューション提供における重要な要素としています。
社内向けAIツールの導入でインパクトを最大化
VTIは生産性向上と業務効率化を目的に、ChatGPTとClaudeなどの外部AIツールを活用する一方、内製AIツールの開発にも積極的に取り組んでいます。
代表的なツールは以下の通りです。
- V-Copilot:システム開発・運用を支援するAIアシスタントです。V-Copilotは開発者に対して、コードレビューと改善提案を支援し、開発期間を短縮します。また、非エンジニア部門では、スマートな提案とタスク自動化に活用することができます。
- ミーティング用の自動音声認識ツール:ミーティングの内容を自動で文字起こしし、要約を生成することで、ドキュメント化と情報共有の効率が向上します。
- 機械翻訳ツール:グローバル開発チームの多言語コミュニケーションを支援します。
- AIチャットボット:社内の運用・支援を効率化します。
「これらのツールは、プロセスの効率と開発チームのパフォーマンスを向上させ、よりスマートかつレスポンシブな職場環境を実現しています。」
今後もツールの進化を続け、全部門でAIを活用して日常業務をデータに基づくスマートな仕組みへと革新していくことを目指しています。
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VTIのAI攻略法:AIの追随者から先導者へ
AIはVTIのテクノロジーロードマップの一部ではなく、ビジネス変革戦略の柱としています。強力なリーダーシップ、充実した教育体制、組織内部からの変革精神、そして責任ある企業文化を基盤として、全社員がAIをツールとしてだけでなく、マインドセットとして受け入れられるよう取り組んでいます。
今回ご紹介した内容は、VTI Xpert Seriesの始まりです。今後のエピソードでは、具体的な事例とより多くの専門家の声を通じて、世界中のお客様が事業を展開されている各業界において、AIがどのような変革をもたらしているのかを徹底的に解析していきます。どうぞご期待ください。