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コンビニにおけるAI発注システムを徹底的に解釈

12月 25, 2022

前編「棚割をサポートするAI」を踏まえて、コンビニのAIの導入率が高くなると考えられます。棚割のような、外見で見かけやすい作業だけではなく、裏に隠れている作業でもAIを導入することができます。本記事は、「縁の下の力持ち」の役割を果たす発注作業でAIをどのように活用するかを説明いたします。

 

1.AI発注システムとは?

発注システムとは発注書を作成・追跡・発行するソフトウェアです。基本的に、発注システムの手順は以下の通りです。

  • 発注書を作成する:店員が商品を購入する場合、ベンダーに発注書を発行する必要があります。
  • 発注書を承認する:供給者に発注書を送る前に、コンビニなどの店長に承認される必要があります。これは、購入が承認されるかどうか、又は予算が足りないかどうかを確認するためです。
  • ベンダーに発注書を送る:最後のステップとして発注書を供給者に送ります。普通、発注書の作成が簡単ではないため、多くの企業はこの作業に時間が結構かかります。

AI発注システムはAIを活用することで、発注書を自動又は半自動に発行する他に、商品の発注数を精算・推奨するシステムです。普通の発注システムと比べると、発注数を正しく予測するために、廃棄ロスや時間を削減させる優越感があります。AI発注システムは、一人の力で商品の数量を予測しづらい、つまり消費期限が短い商品の発注に使うシステムです。

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2.AI発注システムがどのように稼働するか?

AI発注システムにはセミオート発注システムとフルオート発注システムがあります。基本的に、AIは事前に蓄積されてきたデータと外部要因(天候とか、トレンドとか、温度とか)を含む、膨大なデータを分析したことで、発注数を推定してくれます。

発注システム型によってデータを使う範囲が違います。セミオート発注システムは自社のデータ(自店POSとか、去年の販売状況とか、CMのプロモーションなどのような本部の施策とか)の他に、天候や温度などの要素を分析した上で、発注推奨数を出します。発注推奨数は「販売予測数」から「在庫予測数」を引いて、店に置いておきたい数の「安全在庫数」を足した合計数となります。セミオート発注システムの場合、「これから起こりそうな事」(競合店の出店や閉店などの商圏内で起こる変化など)と「売場の状態」(どんな売場状態で販売されたかなど)を考慮されていないために、店員がそういう要素を加味して、最終発注数を決められます。

一方、フルオート発注システムは多大なデータを分析したことで、発注数を推定してから注文してくれる、つまり全ての作業を自動に実施するシステムです。自社が蓄積されてきたデータはもちろん、天候や温度、トレンド、商圏内の変化など、複雑なデータを分析したことで、将来の需要を満たす発注数を高度の精度で予測できます。以前は取引先からの発注データを1品目ごとに確認し、過去の経験や天候、販促イベントなどの情報を収集・考慮して発注数をきめてきたが、現在、発注担当者はAIが精算した発注数を確認するだけで発注が完了します。

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3.AI発注システムのメリット

3.1. 在庫管理の最適化

AI発注システムは監視カメラやセンサーが収集した商品のデータをリアルタイムで把握できます。ある程度、店員はどの棚に商品が在庫切れになるかを直ぐに理解できることを意味します。しかし、在庫管理におけるAI発注システムの主役割は将来の需要を高精度で予測できます。それは余剰在庫とか過剰在庫を避けることができます。

3.2. 廃棄ロスと時間の節約

AI発注システムが顧客の需要を満たす商品の数量と種類を正確に予測できることは死に筋商品を最低限にするために、廃棄ロスを削減すると思われています。ある調査では、在庫管理や需要予測の最適化は廃棄ロスの63%を減らします。更に、AI発注システムは、従業員の作業時間を大幅に削減します。例えば、ローソンのコンビニはAI発注システムを導入すしたことで、店員ごとの作業時間は2時間を削減したことが明らかになります。

3.3. 顧客体験の向上

顧客の需要をいつも満たすことはコンビニにとって大切です。コンビニに立ち寄る顧客は短時間又は瞬間にわたる自分の気持ちや欲望などが沸き上がるために、ああこの商品が今欲しいなと思って、コンビニを選択します。ある調査では、回答者の30%以上は欲しいものが在庫切れになったら、競合店に寄ることにします。そこで、在庫管理の最適化により、顧客体験を高めるのではないでしょうか。

3.4. マーケティング・販売促進の強化

AIの力により、収集されたデータを最大に利用します。顧客がどの商品を常に買うか、将来の需要が変化するかどうかなどを理解して、適切なマーケティング•販売戦略を立てるのではないでしょうか。

 

4.活用事例

セブンイレブン:

セブンイレブン・ジャパンは2020年1月31日から、千葉県内の「セブンイレブン」約1100店舗でAI発注システムを導入しました。お菓子やカップ麺、日用品など約2500品目を対象にしたAI発注システムは、膨大なデータ(人間が行った発注データなど)に基づいて、最適な発注数量を、高い精度で出せると期待されました。稼働中の不足分が自動計算されて発注数が出てくる「設定発注」システムをAI発注システムに切り替えました。導入後、発注時間が35分〜45分に短縮されました。このために、店員は余裕な時間があって、他の作業に注力することができました。

ローソン:

ローソンは、2015年からAIを活用するセミオート発注システムを導入しました。当時、カップ麺や日用品など腐らず日持ちする商品を対象とする「計画発注」と、おにぎりやサラダ、デザートなどの消費期限の短い商品が半数近く(3500品目のうち1200品目)を占めたセミオート発注を組み合わせてコンビニを運営していました。普通、熟練した店員でも発注作業を簡単に実施できません。発注数が多すぎたり少なすぎると、金銭的な問題が生じます。AI発注システムは、自店の3日間の平均販売数に曜日、天候、自社POS(販売時点情報管理)、自店ポンタ、本部施策を分析して、1日4回(1回ごとに約3万5000データほど)で高い精度で算出します。更に、セミオート発注と計画発注を合わせたローソンは、1日1人当たり2時間の作業時間を削減したと結果が得られました。

VTIのケーススタディ:

我々は数千店以上のコンビニを運営している小売企業に向けてAI発注システムを開発しました。昔から店員が3〜4時間で発注を完了していました。客足が鈍化していた時には大丈夫だったが、盛期には人手不足を深刻化しました。導入後、マシンラーニングを使用するAI発注システムは、外部要因(天候やトレンドなど)を含む多量のデータを分析して、発注数を自動に推定します。更に、将来の需要を高精度で予測できるために、発注作業をサポートする他に、在庫管理を最適化しました。導入後、作業時間が2~3時間を削減しました。

 

5.VTIグループ

VTIは、AIなどのような先端技術やリテールのノウハウを活用することにより、デジタルトランスフォーメーションと事業成長に向けたソフトウェア開発のワンストップソリューションをご提供いたします。また、Odooの公式パートナーとしてOdooのEコマースシステムをはじめとするOdooのサービスを提供いたします。特に、MagentoOdooなどのEコマースプラットフォームに関する経験が豊富な人材を持つ、小売企業にカスタマイズされるオンライン・ショップを構築するのをサポートします。

 

6. 小売企業に向けるEBOOK

小売企業が2023年のビジネス戦略や投資戦略を策定できるように、「2023年日本の小売企業動向」を我々の研究チームが執筆しました。資料の詳細情報はこちらです。ぜひご覧ください。

 

まとめ

上記にお話したように、コンビニにおけるAI発注システムを紹介いたします。AIなどのような先端技術に関してご質問があれば、ご遠慮なくお問い合わせください。

また、先端技術の情報・知識をアップデートしたい方は、登録のためのメールボックスを書き込めください。

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