お客様は日本国内に2000+店舗以上、世界で3250店舗以上の小売を展開する大手小売企業です。現在、 販売管理システム が10年以上利用され、老朽化したという課題に直面しています。既存システムは、拡張性に乏しく、在庫データの不整合や、入荷または在庫管理におけるデータ損失などのリスクが発生する可能性があります。これらの課題を解決するには、在庫管理業務を効率化し、仕入先からの調達プロセスを最適化する最新の自動化ソリューションが必要とされていました。
お客様の要件
既存システムでは、従業員が多くの個別Excelファイルやメールを使用して入荷データを管理していました。そのため、業務上で以下のようなさまざまな課題が発生し、お客様の調達ニーズに十分対応できなくなりました。
- 在庫データと入荷データが手作業で多数のファイルから集計され、システムに入力されるため、実際の在庫数とシステム上の在庫数が一致しないリスクが高い。
- 業務フローが非効率で、過去のデータを効果的に活用できない。在庫データと入荷データが分散管理されているため、必要なときに過去のデータや文書をレポートに活用することが難しく、時間とリソースを大量に消費する。
- システムの統合が不十分のため、データがサイロ化され、運用コストの増大を招いている。
- 拡張性の制約により、ビジネスの成長を支える新機能の追加や最先端技術の活用が難しくなる。
お客様は、3年間の協業実績を踏まえ、高い技術力と、小売業における豊富な経験を高く評価し、VTIにフルサイクルソリューションの提供を託しました。
ご提供したクラウドベース 販売管理システム のフルサイクル開発
VTIは、要件定義、システム基本設計、詳細設計、製造、単体テスト(UT)、結合テスト(IT)、総合テスト(ST)、メンテナンスを含むフルサイクル開発サービスを提供し、自動化の強化や効率性の向上を実現する販売管理システムを再構築しました。
弊社のアプローチ方法
- 業務プロセスを徹底的に見直してシステムの設計を最適化する。
- 調達担当チームの負担を軽減するため、手作業のプロセスを自動化する。
- コスト削減、拡張性とシステム信頼性の向上を目的に、クラウド化を実施する。
主要機能
- 仕入先(メーカー)管理
- 在庫確認・管理(各仕入先から入荷する商品の状態・個数を確認し、在庫データと出荷データを管理する)
- 入荷期間と需要の予測、在庫補充の提案
- リアルタイムでの在庫情報と請求情報の突合
使用技術
- クラウドベースのインフラ(AWS):コストを削減しながら拡張性を向上させる。
- サーバーレスフレームワーク:インフラコストを削減しながら高いパフォーマンスを維持する。
プロジェクト規模
- チームサイズ:最大30名体制
- 開発期間:6ヶ月以上
成果
新規開発システムの導入により、顕著な改善が実現できました。
- コスト削減:クラウドに移行することで、初期費用と運用コストを6分の1に削減しました。
- 業務効率の向上:ワークフローを自動化することで、調達業務に関する作業(在庫管理、商品入荷、在庫補充予測)にかかる時間を50%削減しました。
- データの精度向上:手作業によるミスが減少し、在庫管理および発注業務の精度を高めました。
- 発注予測の効率化:過去のデータを活用して次の調達期間のための発注を提案。
VTIの専門知識を活かし、お客様は 販売管理システム の刷新に成功し、コスト削減と業務効率化を実現するとともに、小売業界における競争力を強化しました。
よりスマートな調達と強固な事業運営で小売業の未来を創造
小売業界が進化し続ける中、各企業が競争力を維持するためには、デジタルトランスフォーメーションを導入する必要があります。コスト削減、業務効率の向上、そしてシームレスな運営を実現するには、最先端のデータ駆動型販売管理システムが欠かせないものとなっています。
VTIは、小売業者向けに革新的で拡張性の高いソリューションを提供し、在庫管理の強化、調達プロセスの効率化、業務フローの最適化を支援しています。クラウド技術と自動化技術を活用することで、サプライチェーン全体の精度向上、柔軟性の強化およびコストの削減を実現します。