お客様について
お客様は、主にコンクリート吹付機を取り扱う建設機械の販売・レンタル・修理の専門企業です。取り扱う機械は、作業者が手持ちのコントローラーを使用して吹付作業を行い、手動で操作します。
しかし、手動操作ではコンクリート吹付が不均一になったり、吹付対象範囲を完全にカバーできなかったりするという課題が発生しました。精度を高め、人為的なミスを減らすために、お客様は以下を実現する吹付作業の自動化ソリューションを必要としました。
- 3D図面作成:高精度なデジタルモデリングシステムで作業範囲を図面化することにより、複雑な施工現場でも自動化された作業が正確に行えるようにする。
- スマートな制御システム:重要な吹付仕様(角度、圧力、ノズルの位置など)をリアルタイムで調整するスマートな自動化システムにより、凸凹した表面にも手動操作では実現できない均一なコンクリートの吹付を可能とする。
ご提供したソリューション
3D図面作成:環境図面の高度な3Dモデル化
吹付の自動化において、大きな課題の一つは、トンネルなどの複雑な地形でも正確なナビゲーションおよびポジショニングを実現することです。この課題を解決するためにVTIは3D図面作成システムを開発し、各機械がミリメートル単位の精度で稼働できるようにしました。
- LIDARセンサーおよびトータルステーション
- LIDARセンサーは、パルスレーザーを使用して継続的に環境をスキャンすることで、トンネルの構造に関するリアルタイムの3D点群データを生成します。
- トータルステーションは、トンネル座標系内で機械の位置を正確に追跡することで、測位精度を向上させます。
- Windows PC:LIDARセンサーから点群データを収集して処理することで、トータルステーションを通じて機械・車両の正確な座標を算出するソフトウェアを実行します。

スマートコントロールシステム:包括的な対話型制御ソリューション
スマートコントロールシステムは、リアルタイムのセンサーフィードバック、IPCやコントローラーなどのハードウェアコンポネントが統合され、精密で自動的な制御を実現します。

本システムは、作業者が手動で機械を操作するか、自動吹付プロセスを設定できるタブレットベースのHMIが統合されています。設定が完了したら、ロボティクスコンピューターがPC上の3D図面を元に、実際の状況に基づき機械の稼働を最適化します。また、過去のデータを活用することで、さらにノズルの軌道を調整し、不要な動きを減少させ、対象範囲を完全にカバーできるよう確保します。
コントローラーは実行中に継続的に最適化された稼働指示を受け取り、アクチュエータを動かし、 センサーフィードバックを使ってリアルタイムで調整を行います。これにより、オーバースプレー、材料の無駄や吹付け厚の不均一が防止され、より効率的でコスト効果の高い吹付プロセスを実現しま

3D図面作成とスマートコントロールシステムを導入することで、VTIは吹付作業を手動から自動化されたスマートなプロセスへと革新し、精度および効率性を確保しながら、必要に応じて手動制御に切り替えることができるようにしました。
すべてのコンポネントが同一のLANネットワーク内でシームレスに接続され、包括的なIoTシステムを構成し、リアルタイムのデータ交換、運用の同期化および自動化の強化を実現しています。

使用技術
HMI:
・OS:Android
・開発言語:Java/Kotlin、Flutter
ロボティクスコンピューター
・OS:Ubuntu
・フレームワーク:ロボットオペレーティングシステム(ROS)
・開発言語:C++、Python
VTIのIoTサービスでビジネスの可能性を最大限に
本事例は、お客様のニーズに対応し複雑な課題を解決するIoTソリューションの開発におけるVTIの専門性を証明しています。
VTIは高度な開発能力と産業オートメーションにおける専門知識という強みを活かし、IoTネットワークに関する包括的なソリューションを提供することで、機械稼働プロセスの効率と自動化において、前例のないレベルへ引き上げることに取り組んでいます。
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