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コロナ禍後のクラウドDX動向の予測

9月 6, 2021

COVID-19パンデミックの影響により、世界中の企業に打撃を与え、IT部門の運用し方を変えざるを得ないプレッシャーをかけています。コロナによる影響の中で一番目立つのは、まるで大規模な技術革命のような、クラウドを活用したデジタルトランスフォーメーション(クラウドDX)の急速な発展だと言えるでしょう。大手調査会社フォレスター・リサーチ社(Forrester)の予測によると、クラウドDXはITトレンドの一つになり、2021年から繁栄に発展していきます。

1. クラウドDXは今や必要不可欠な要素となっています

新型コロナ感染症がますます拡がる状況では、クラウドDXは、企業の存続と発展を支援する効果的なソリューションだと言われています。

コロナ禍をきっかけとしてIT業界をはじめ経済全体が再編されています。多くの企業は危険な状況に直面しています。企業が市場で存続し、さらに発展していくためには、営業形態および管理・運用ポリシーを見直すことを余儀なくされています。特に、コスト削減は中小企業にとって最重要な課題となっています。

一方、この状況は、クラウドコンピューティングサービスを発展させるのに最大の機会をもたらすと言えるでしょう。コロナ禍では、クラウドコンピューティングがそのメリットを証明できましたので、企業にとって2021年がクラウドコンピューティングの導入に絶好の時期であることを認識してきました。 では、いくつかの業界でのクラウドDXの動向を見てみましょう。

1.1. 小売業界におけるDXのトレンド

外出自粛や人との接触制限が続いている背景では、実店舗で買い物をした人が減ってきたため、小売業者は新しい需要刺激策の検討を余儀なくされます。eコマースは最も有用な対策として挙げられています。

スマホを数回タップするだけで、店舗にわざわざ行かなくても商品を購入することができ、注文した商品は自宅まで配達してくれるというメリットで、オンラインショッピングが消費者により速く受け取って、よく使われるようになりました。

小売業界におけるDXのトレンド
Eコマースは最も有用な対策として挙げられています

オンラインショッピングの傾向はコロナ流行時期のみならず、今後も引き続き活発に継続すると予測されています。

1.2. ヘルスケアにおけるクラウドDXのトレンド

患者の数は毎日急増している、今のようなCOVID-19パンデミックの背景で、拡張性と安全性が高いクラウドコンピューティングは、医療機関での患者情報の管理に極めて役立ちます。

膨大な患者のデータをうまく対応できない従来の情報管理システムの代わりに、処理速度も正確度についても要求を応えられるクラウドコンピューティングを活用したシステムが急激な勢いで導入されてきました。

ヘルスケアにおけるクラウドDXのトレンド
クラウドコンピューティングは、医療機関での患者情報の管理に極めて役立ちます

また、コロナの拡大により直接接触が制限される一方で、ヘルスケアのニーズが高まりつつあるため、各医療機関での診療が困難になってしまいました。その故に、クラウドコンピューティングを活用して、患者とのやり取りをオンラインで可能とする柔軟な措置が必要となります。これにより、患者が迅速に治療を受け、医療機関の運用効率が向上することを実現できます。

1.3. 運送業におけるクラウドDXのトレンド

運送業界は大きな変革を迎えているといっても過言ではないでしょう。この業界が抱えている低い利益率、そして複雑なバックオフィス業務の問題点に対して、双方向性のある柔軟な運送システムが求めている中、クラウドコンピューティングは持続的な成長、効率向上及びフレキシビリティをもたらすことが期待されています。クラウドプラットフォームで提供されるサービスを組み合わせて活用することで、企業は販路拡大が加速し、お客様に今までにない体験を作り出せるような改善が可能になります。

経済誌エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が2015年に行った運送業を手掛けている企業のCEOを対象とした調査結果によると、対象者の48%がクラウドコンピューティングによってデータのアクセス・分析・使用が良くなったと述べ、45%が内部経営プロセスの効率が改良されると述べ、そして、45%がクラウドコンピューティング活用によって新しいサービスの市場投入が迅速化できることを示した。

運送業におけるクラウドDXのトレンド
運送業におけるクラウドDXのトレンド

これらは輸送業者にとって競争メリットであり、以下の3つの大きな目標を実現させる効果があります。

・運用活動におけるイノベーション。それはより迅速なプロセスやより簡素な手続により内部プロセス効率化が促進できます。

・売上モデルの再編成。それは、顧客との関係やデータシステムの構築、市場投入期間の縮小、提携先のシステムと相互運用できるサービスの充実です。

・ビジネスモデルの革新。それは、交通・運送のエコシステムを整備し、共有や検索することを最適化します。

2. ForresterによるクラウドDXの動向についての予測

Forresterにより、2021年にはクラウドコンピューティングは企業の「新しい生活様式」への適応能力を高めることが期待されます。2021年内、在宅勤務、オンラインでの買い物、そして外出自粛から解放されるかは、誰も断言できませんが、状況変化に適応するためにどの企業もこれまで以上に敏感にならなければならないことは明らかです。

これからは、世界中の企業のコロナ禍後のデジタル化加速に役立てることを目的として、クラウドコンピューティングに関するForresterの2021年末の予測を3つご紹介します。

2.1 パブリッククラウド市場は新型コロナウイルスにより急速に回復

2019年後半にパブリッククラウドの収益成長率がわずかに鈍化した後、2020年半ばにこの市場が新型コロナ流行により著しく伸び、そして、世界中のパブリッククラウドインフラストラクチャ市場が2021年末まで35%成長し、1,200億ドルに達するとForresterは予測しています。

2019年のクラウド市場シェア
(図)クラウドにおける2019年世界市場シェア (出典:Gartner)

クラウドサービスと言えば、AWSとAzureが最初に思い浮かぶ名前なのではないでしょうか。それらに次いで、世界高収益トップ3位となるのはAlibabaの他にはないでしょう。

Web Services(AWS)などのクラウドコンピューティングサービスプロバイダーは、ポリシーの変更、製品やサービスのアップグレード戦略、およびコストパフォーマンス(価格対性能比)の最適化を通じて、エンタープライズシステム向けのクラウドコンピューティングの利点と利便性を証明しました。

2.2. クラウドコンピューティングでのサーバレスサービスおよびコンテナサービスへの動き  

新型コロナウイルス流行の前に、開発者の約2割が新アプリケーションの開発や既存アプリケーションのアップグレードにサーバレスサービスおよびコンテナサービスを利用していました。

クラウドネイティブスタック
クラウドネイティブスタック (出典: Janakiram MSV)

Forresterの予測によると、この数字はサーバレスの場合25%になり、コンテナの場合30%近くになります。これはマルチクラウドコンテナ開発プラットフォームとパブリッククラウド上のコンテナ/サーバレスサービスの両方に対する世界的な需要の急増を引き起こす起因となっています。

この動きの理由としては、サーバレスサービスの利用によってスケーリングに関する懸念をすべて解消し、企業の負担を大幅に軽減できることにあります。それに加えて、消費した分だけ支払う従量課金制(Pay As You Go)もこのサービスのメリットとなります。さらに、サーバレスサービスでは、開発からデプロイまで合理化された機能、リソースの監視・管理の確実な仕組みなどが提供されているから、多くの開発者がこれを選びました。

2.3. クラウドコンピューティングの災害対策(Disaster Recoveryが重要なポイントに!

CloudEndure-Disaster-Recovery-のアーキテクチャ
CloudEndure Disaster Recovery のアーキテクチャ (出典:Amazon AWS)

コロナ禍を前向きに考えるとすれば、IT企業への外注に依存している、災害対策を整備していない企業がデータセンターの停止などからのデータ復旧能力を向上させるチャンスがあることです。

本番環境のインフラストラクチャと同等の災害対策サイト(DRサイト)を構築するのは、莫大な設備投資コストがかかり、一定期間にわたって減価償却されます。コロナ禍後の困難な財政状況を踏まえて、企業は慎重に検討した上で多額を支出する傾向があります。

そのため、ユーザーは災害対策のサイトなどを用意するコストを負担する代わりに、データのバックアップ、システムの早期災害復旧および完全な災害対策を目指してクラウド上のディザスタリカバリ(DRaaS)、災害対策とも呼ばれるサービスを利用しています。これは、クラウドコンピューティングの大きなメリットとして知られています。

新型コロナウイルス流行の前に、パブリッククラウドでシステムデータや業務データを管理する企業が少なかったですが、Forresterによると、企業の20%が2021年末までに災害対策(DR)をパブリッククラウドにシフトすることが予測されています。また、シフトした企業はオンプレミスに戻さないことも見通します。

3. まとめ

前章では、ForresterのクラウドDXに関する予測及びコロナ禍後の企業のデジタル化におけるクラウドDXの推進力のハイライトのみをご紹介しました。そのほか、ソフトウェアとソフトウェアのライセンス購入時の習慣が変わったり、クラウドソリューションへの興味が再び高くなったり、またクラウド上のデータ保管方式や保管場所などに関する新しい規定が初めて注目されるなどの動きも明らかに見えます。

4. 株式会社VTIについて

ベトナムにおける僅かなAWSアドバンストコンサルティングパートナーの1つとして、株式会社VTIはアプリケーションの構築と開発、エンタープライズ向けのクラウドへのデータ&システム移行など、クラウドコンピューティングを活用したデジタルトランスフォーメーションサービスを提供するベトナムにおける先駆的なオフショア開発企業として活動しています。

そのうえ、小売、輸送、金融、インターネットサービス、建設など多岐にわたって、ソフトウェア開発、システムの運用支援と保守、AI、IoT、デジタルトランスフォーメーションのサービスを提供しています。

手掛けている業界での知識と経験を活かして、お客様に最高のオフショア開発サービスをご提供することで、お客様の経営課題の解決、売上の成長及び運用コストの削減にお役に立てることを目標としております。

ご質問・ご相談・資料請求等は、お気軽にお問い合わせください。

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参考資料:
2021年におけるクラウドコンピューティングの動向–フォレスター予測

Increasing application resilience with CloudEndure Disaster Recovery

What is the modern cloud native stack?

Predictions 2021: Cloud Computing

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