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POS連携 :小売業務の効率向上を支える基盤

6月 19, 2025

what is pos integration

業務効率及び顧客体験の向上において、POSシステムの導入はますます重要になっています。世界のPOS市場売上は、2024年の334.1億ドルから2032年には1102.2億ドルへの成長が予測されています。こうした市場拡大を背景に、業務効率化を目指す企業にとって、 POS連携 は避けて通れない課題となるでしょう。

小売業界では、オムニチャネルへの移行がこの成長を後押ししています。多くの小売企業がオンライン・オフラインの販売チャネル連携により、BOPIS(オンライン上で購入した商品を実店舗で受け取る)などのサービスやリアルタイム在庫更新を実現しています。効率的な連携システムへの需要が高まる中、2026年までに、小売業向けPOS市場は344億ドルに達することが見込まれています。

本記事では、POS連携の仕組みと、2025年以降のビジネス競争力維持における重要性をご紹介します。ぜひご一読ください。

POS連携 とは

POS連携とは、POSシステムを在庫管理、会計ソフトウェア、CRM、ECプラットフォームなどの業務ツールと連携させることです。これにより、チャネル間でのシームレスなデータ連携と、リアルタイムで正確かつ一貫性のある情報管理が実現できます。

POS連携 で解決できる課題

POS連携はバックエンドアップグレードにとどまらず、小売店、飲食店、サービス業が日々直面する課題に対するゲームチェンジャーです。以下に、POS連携が解決できる主な課題を紹介します。

システムおよびデータのサイロ化

複数のシステムをバラバラに運用していると、処理の遅延、人為的ミス、非効率が発生します。POS連携により、すべてのツールが一つのプラットフォームで一元管理され、リアルタイムでスムーズに連携できるようになります。

在庫管理の負担

店舗マネージャーにとって、在庫切れ、在庫数の二重カウント、欠品商品の誤販売は深刻な課題です。POS連携により、全販売チャネルで在庫状況がリアルタイムで正確に更新され、顧客が確認する在庫数と実在庫の一致を保証できます。さらに、倉庫・調達管理システムと統合されたERP型のPOSシステムを導入すれば、信頼性が一層向上します。

時間がかかる手作業

多くの事業者は、売上データを手入力したり、在庫数を手作業で記録したりして、反復作業に多くの時間を費やしています。POS連携により、在庫更新、オンライン注文処理、財務システムへのデータ送信などがすべて自動化され、スタッフがカスタマーサービスと成長戦略に注力できるようになります。

顧客体験の低下

現在、消費者は各販売チャネル間でシームレスな体験を求めています。POS連携により、リアルタイムのキャンペーン適用、ポイント同期、BOPISなどを実現し、オンライン・オフラインを問わず、どのチャネルで購入しても、スムーズで一貫した体験を実感できます。

レポートの遅延や不正確さ

システムが連携されていない場合、レポート作成が遅れたり、内容が不正確になったりします。スマートなPOSシステムを導入すれば、売上データ、顧客行動、在庫情報を一つのダッシュボードに集約し、リアルタイムで的確な意思決定をサポートします。

事業拡大に伴うシステム負荷

分断されたシステムでは、店舗や拠点、ツールを新規追加するたびに問題が発生しやすくなります。スケーラブルなPOSソリューションを導入すれば、スムーズな拡張ができます。また、Wi-Fi対応POSやクラウドベースの管理機能により、場所を問わず業務を監視・管理できます。

POS連携 の主要コンポネント

POS連携のニーズは、企業によって異なりますが、主な分類にはプラットフォーム連携、店舗連携、チャネル連携があります。以下で、それぞれについて詳しく解説します。

Main components of POS integration

プラットフォーム連携

現在、多くの企業は会計ソフト、マーケティングプラットフォーム、CRMシステムなど、さまざまなツールを活用して業務を効率化しています。これらのツールをPOSシステムに連携することで、データの自動同期が実現されます。たとえば、POSシステムをロイヤルティプログラムやファイナンスツールと連携することで、より魅力的な特典・報酬やスムーズな会計プロセス、パーソナライズされた体験をお客様に提供できます。

また、手動更新作業が不要になり、手間の削減と人為的ミスの防止を実現します。システム全体の円滑な運用により、企業は安心して事業成長に専念できるようになります。

店舗連携

複数店舗を運営している場合、全店舗でデータを同期することが非常に重要です。ある店舗で取引を行った際には、POSシステムが全店舗の在庫数、顧客データ、販売記録を自動で更新することが求められます。これにより、消費者は商品を探す際に在庫のある店舗を確認でき、

スタッフも別店舗の在庫確認を依頼された際、手作業なしですぐに正確な情報を提供できるようになります。

オンライン・オフラインチャネル連携

顧客がオンライン・オフラインを問わず買い物をする場合、チャネル間の連携は重要になっています。マルチチャネルPOSシステムを導入すれば、両チャネルの管理をスムーズに行えます。たとえば、消費者がオンラインストアで商品を購入し、実店舗で受け取る場合でも、在庫情報がリアルタイムで正確に同期され、両方のチャネルでその取引状況が追跡されます。

McKinseyの調査によると、消費者の56%がオンライン・オフラインチャネルの両方を活用して買い物していると報告されています。ECプラットフォームとPOSシステムを連携させることで、購入場所を問わず、正確な在庫情報を提供できます。これにより、お客様がどのチャネルを利用しても、一貫性のあるスムーズな体験を実感できます。

関連記事:POSシステムについて徹底解説

POS連携 の動作説明

POSシステム連携は、POSシステムを他の重要な業務ツールと連携させ、リアルタイムのデータ共有を可能とする仕組みです。これにより、業務全体が円滑に進み、より効率的かつ正確な運営が実現されます。以下に、その仕組みを紹介します。

ステップ1:セットアップ

まず、POSシステムと在庫管理、CRM、ECプラットフォームなどのツールを連携する必要があります。一般的には、APIをコネクタとして活用し、各システムをつなぐことで相互に通信できるようにします。

ステップ2:リアルタイムのデータ同期

セットアップが完了すると、システム間でデータが自動的に連携されます。取引が発生すると、POSシステムは即座に在庫管理システムを更新し、会計ソフトに取引内容を記録します。これにより、すべての情報がリアルタイムで最新の状態に管理されます。

 

ステップ3:トランザクション処理の自動化

オンラインストアと実店舗に関わらず、POSシステムが商品情報、支払情報、顧客情報などの取引データを記録します。これらのデータを他のシステム(決済ゲートウェイなど)に送信することで、トランザクション処理を安全かつスムーズに実現します。

ステップ4:在庫管理と注文処理

取引が発生すると、在庫数が自動で更新されます。オムニチャネルを展開している場合でも、オンライン・オフラインチャネルの在庫が一元管理され、実際の在庫数を超えた販売や在庫切れを防止します。また、すべてのチャネルで注文の処理状況が確認でき、正確性と顧客満足度の向上につながります。

ステップ5:レポートとビジネスインサイト

レポートやダッシュボードで売上・在庫・顧客に関するデータを集約することで、経営者はリアルタイムでビジネスの全体像を把握し、的確な意思決定や事業成長戦略の立案を行うことができます。

how POS integration works

POS連携のメリット

POS連携は、事業者と消費者の双方に多くのメリットをもたらします。技術発展に伴い、その効果はさらに拡大し、よりスマートな店舗運営と優れた顧客体験を実現していきます。

事業者へのメリット

データ分析とリアルタイムインサイト提供の向上

小売業向けPOS連携の大きな利点の一つは、すべてのデータを一元化できることです。スマートなPOSシステムを導入することで、販売実績や在庫状況など、ビジネス全体をリアルタイムで可視化することができます。これにより、品薄傾向や人気商品、スタッフ配置の最適化など、新たな動向をすばやく発見できるようになります。また、カスタマイズ可能なダッシュボードを活用することで、最も重要なデータに集中でき、意思決定のスピードと精度が向上します。

在庫管理の一元化

POSシステムを在庫管理ツールと連携すれば、在庫管理が非常に簡単になります。リアルタイムでの在庫更新により、欠品や実際の在庫数を超えた販売やを防止できます。オンラインでも実店舗でも、在庫情報がリアルタイムで正確に更新されるため、業務の信頼性が向上します。また、在庫補充の自動化や、複数店舗での商品情報(価格・説明・数量など)の一括管理も可能となり、人為的ミスや手間を削減します。

セキュリティの強化

機密性の高い決済データを扱う際に、セキュリティは最優先事項です。POS連携では、データ転送時の暗号化や脆弱性対応の定期的なソフトウェアアップデートにより、高度なセキュリティ機能を提供し、データ保護を強化しています。常に最新の状態を保つことで、リスクを軽減し、サイバー脅威から事業者と消費者の双方を守ることができます。

最適資源分配

POSシステム連携により、手動でのデータ入力の必要性が軽減され、ミス発生のリスクが最低限に抑えられます。POSソフトウェアソリューションが、在庫更新、注文処理、会計レポートなどの日常業務を処理することで、チームはより重要な作業に集中できるようになります。お客様のサポートやビジネス戦略の最適化など、どんな場面で連携型POSシステムはリソースの効果的な配分を支援します。

omnichannel retail with POS integration

お客様へのメリット

より安定した商品供給の実現

お客様にとって、在庫をリアルタイムで確認できることは非常に重要です。連携型POSシステムは、オンラインでも店舗でも、すべてのチャネルで常に一貫した商品情報を提供します。これにより、カート放棄を防ぎ、購入時に正確かつリアルタイムな在庫状況を確認できるようになります。また、お客様はオンライン・オフラインを問わず、どのチャネルでも購入履歴を簡単に確認できるため、誤った製品を注文したり、必要なものを見逃したりするリスクを軽減できます。

スムーズでストレスのないショッピング体験

連携システムによって、オンラインでも店舗でも、スムーズなショッピング体験が実現できます。 今のお客様は、待ち時間や面倒な手続きをできるだけ避けたいと考えています。スマートなPOSシステムで、商品をブラウジングするところから購入、決済に至るまで、ストレスなく利用できるようになります。これは特にオンライン取引で重要で、実に85%もの買い物客が、チェックアウトの遅さや在庫情報の不正確さなどの問題で不満を感じています。  スムーズで一貫した体験は、お客様の満足度を高め、ロイヤルティを育み、再来店を促します。

POS連携が実際にどう使われているのか、VTIScan&Goアプリの事例でチェックしてみましょう!

システム連携を考慮したPOSシステム選定の重要なポイント

適切なPOSシステムを選定することは、ビジネスにとって非常に重要です。単に販売処理を行うだけでなく、日々の運用で使用するツールとシームレスに連携できるシステムであることも、選定の大切なポイントです。連携を考えたPOSシステム選びで、ぜひチェックしてほしいポイントを紹介します。

ビジネスのニーズに合わせたカスタマイズ

それぞれのビジネスには固有のニーズや運用スタイルがあります。そのため、POSシステムには高い柔軟性が求められます。会計、在庫管理、ロイヤルティプログラムなど、既存のツールやプラットフォームとスムーズに連携できるPOSシステムを選定することが重要です。  特に、カスタマイズ性の高いPOSシステムであれば、ビジネスの成長や変化にも柔軟に対応できます。ビジネスフローや運用ニーズに柔軟に対応できるため、ビジネスに合わないシステムに無理に合わせる必要はありません。

VTIは、こうしたニーズに対応するために、マルチチャネル対応のPOSソリューションを開発してきました。システムには柔軟性があり、貴社のビジネスに合わせて最適な形で運用できるよう設計されています。日本や韓国の大手企業とも協力し、それぞれの業務フローにぴったり合ったカスタマイズも行ってきました。このような背景から、ビジネスの形が変わっていっても、当社のPOSシステムはその成長にしっかりと寄り添い続けることができます。

サポートと信頼性

POSシステムを選ぶ際には、搭載されている機能だけでなく、ベンダーのサポート体制にも目を向ける必要があります。万が一トラブルが発生した場合、信頼できるカスタマーサポートチームは大きな助けとなります。 年中無休の対応や、ガイド・FAQなどのリソース、定期的なアップデートの提供状況も事前に確認しておきましょう。  POSシステムをスムーズに運用し、必要なときに信頼できるサポートが受けられる、そんなプロバイダーを選ぶことが大切です。

当社は24時間365日のサポート体制と、リソースへのスムーズなアクセスを提供し、システムが常に安定して稼働し、ビジネスが中断されないようしっかりと支援します。

既存のツールとの連携

POSシステムを選択する際に、今お使いのソフトウェアやプラットフォームとスムーズに連携できるかどうかを確認しておくことが大切です。連携対象には、CRMから決済システムまで、さまざまな業務ツールが含まれます。優れたマルチチャネルPOSソリューションは、これらのツールとシームレスに連携しながら、ワークフローの効率を保ち、すべてのプラットフォーム間でデータを自動的に同期できるよう設計されています。今ある環境との相性が悪く、新たな依存関係を生んでしまうようなシステムは避け、既存のツールと補完し合える柔軟なソリューションを選ぶことがポイントです。

使用とトレーニングの容易さ

POSシステムが必要な機能をすべて備えていても、チームがその使用に苦労する場合、その投資は価値がないかもしれません。技術に詳しくない従業員でも簡単に操作できるシンプルなインターフェースを備えたシステムを選ぶべきです。ユーザーフレンドリーなシステムは学習曲線を軽減し、チームのトレーニング時間を最小限に抑えます。トランザクション処理、在庫更新、顧客データの管理などの業務を効率的に行うことで、生産性を高めることができます。

コスト及びROI

価格の安さは一見魅力的に思えるかもしれませんが、本当に価値のあるPOSシステムとは、しっかりと投資対効果(ROI)が期待できるものです。初期費用や月額料金、ハードウェア代、追加機能のコストなど、総コストを考えることが必要です。また、業務効率の向上や手作業の削減、経営に役立つデータの提供など、長期的にどんなメリットが得られるかも視野に入れて選びましょう。業務強化と収益向上を実現できるシステムは、短期間で投資回収が可能になります。

ソリューションを比較し、POSシステムの導入を検討する際には、価格だけでなく、長期的な価値を含めた総合的な視点で評価することが重要です。

まとめ

小売POSシステム連携は、複数の店舗拠点やオンライン・オフラインの両方の販売チャネルを接続することです。適切に実施すれば、すべてのシステムが連携され、一体になり、ビジネス運営がよりスムーズになります。

より良いデータ、自動化された在庫更新、そしてシームレスな顧客体験など、得られるメリットは明確です。 お客様が店舗で買い物をしている場合でも、オンラインで買い物をしている場合でも、POS 連携により、すべてのタッチポイントで一貫した体験を提供することができます。さらに、リアルタイムの更新で、問題が深刻化する前に、潜在的な問題の早期発見が可能になります。

各POSシステムとの連携はそれぞれ異なりますが、いずれもAPIを活用して、すべてのデータをシームレスに同期させるという共通の原則に基づいています。 結果として、より効率的でスマートなビジネス運営を可能にするシステムになります。

高度なAI連携やシームレスなデバイス接続に対応した、柔軟にカスタマイズされるPOSソリューションをお探しなら、まさにそれがVTIの得意分野です。 POSシステムの導入をご検討中の方や、自社のワークフローに合わせた最適なカスタマイズをお求めの方は、ぜひVTIにご相談ください。ご連絡をお待ちしております。

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