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小売業なら導入すべきオムニチャネルとは?意味とメリットをご紹介

IT技術がますます多様化し、人々のニーズも様々になってきている近年では、特に小売業において、消費者が様々な購入チャネルから囲まれている中、小売業者は顧客へのアプローチ方法を常に工夫し、卓越した購入体験を作り出しライバル企業に差をつけることを余儀なくされています。この背景で、あらゆる販売経路が統合したオムニチャネルモデルが出現しました。

野村総合研究所(NRI)が発表したICT(情報通信技術)やメディアに関する市場調査レポート「ITナビゲーター2021年版」によると、オムニチャネルコマース市場規模は80兆9000億円に拡大すると予測しました。SNSの流行やスマホの普及、そしてネット通販の動向とともに、オムニチャネル市場は今後も継続的に成長する見込みです。

しかし、誰でもオムニチャネルとは何か、それとも販売におけるオムニチャネルのメリットをよく理解するわけでもありませんので、この記事では、オムニチャネルの概念を紹介しながら、小売業での意味を詳しく解説します。

I. オムニチャネルとは

オムニチャネルは、企業がすべてのチャネル、プラットフォーム、およびデバイスで顧客に商品情報から特典情報、カスタマーサポートまで含まれる購入体験を提供するリードナーチャリング(見込み客の育成)およびユーザーエンゲージメント(顧客の愛着度強化)のアプローチ法です。

omni channel map

オムニチャネル展開というのは、企業は同時に複数のチャネルで顧客をアプローチしながら、それらのチャネル間の情報一元化を確保しなければならないことを意味しています。

すなわち、消費者が欲しい商品を好きな時に、好きなチャネルで購入できるようにする戦略がオムニチャネルです。これによりユーザーの満足度が向上し、リピート率や売り上げ向上を狙うことができます。

II. オムニチャネルとマルチチャネルの違い

オムニチャネルと混同しやすいのは「マルチチャネル」がありますが、一体それらの違いは何でしょうか。「マルチチャネル」はオムニチャネルの1歩手前の段階のイメージで、実店舗はもちろん、ECサイトやSNS、メールマガジン、テレビCMなどの複数(=マルチ)のチャネルを駆使し、ユーザーが求める情報や商品を提供します。ただ、それぞれのチャネルは統合・連携せずに、独立に管理していく形です。

独自に運営するからこそ、顧客情報や商品情報、在庫管理が連携されません。例えば、消費者側から見たときに、実店舗には在庫があるのにECサイトでは「売り切れ」となるというようなケースが起こり得ます。これでは消費者が「売り切れ」だと思い、その商品の購入をやめてしまい、企業にとっての売り損じに繋がります。

omni channel vs multi channel

また、各チャネルの販売効率を売上で評価する仕組みにより各チャネル間で利益の衝突が発生することもマルチチャネルのデメリットです。互いの顧客アプローチ状況を把握しないまま、どちらもお客様を必死に獲得しようとして、SNSで連絡したにもかかわらず、後日店舗からそのお客様にアプローチの電話がまた来てしまうことがよくあるでしょう。つまり、マルチチャネルは、それぞれのチャネルを運営するために個別のリソースが必要ですし、一元化の管理ができない販売モデルです。

マルチチャネルから一歩進むと、「オムニチャネル」になります。

オムニチャネルは、マルチチャネルと同じく、複数のチャネルを使って商品を販売しますが、違う点としてはそれらのチャネルが情報や購買機能を含めて統合されました。この統合により、消費者がどのチャネルからでもスムーズに購入が可能になり、都合の良いチャネルに手軽に切り替えることができます。smartphone-do-online-selling-for people-shopping-online with chat box, cart, dollar icons pop up. Social media maketing concept.

例として、商品の情報をスマホで確認することと並行して、店舗で実際に確認することはマルチチャネルの範囲内です。そこからさらに、ECサイトで予約した商品は店舗で直接支払って済むようにするのがオムニチャネルです。その後、お客様の任意でその場で買った商品を受け取るか自宅に配送してもらうかを選択できます。

III. 小売店がオムニチャネルを導入すると得られる4つのメリット

小売業におけるチャネル連携、いわゆるオムニチャネルは、あらゆる販売のチャネルやプラットフォームに製品・サービスを統合することで、商品との接点の増やし、シームレスな顧客体験の提供、それから販売売上の伸ばしを目指します。このモデルは主にアパレル、コンシューマー製品、食品や飲料などを取り扱っているBtoCの企業に実店舗、モバイルアプリとネット通販の3つの主要チャネルで導入されています。

導入すると以下の4つのメリットを得られますので、世界中の大規模小売企業の大部分がこのオムニチャネルを目指しています。これから、それぞれのメリットについて解説していきます。

1. より良い購入体験

オムニチャネルと言えば、一番初めに思いつくのは認知度が高まることですが、実はオムニチャネルの最大利点としては、顧客に最高のショッピング体験を提供することです。このモデルでは、顧客起点で販売チャネルを作ったため、顧客はどの販売チャネルでも簡単に情報を取得し、いつでもどこでも購入できるようにします。これは、顧客の利便性を高め、購買行動と購買の判断基準に大きな影響を及ぼし、収益向上と直結します。

例:アパレルのブランドだと、顧客のショッピング体験が従来型の店舗販売のうえに、ECサイトやショッピングアプリ、Instagramショッピング、アマゾン出品などのプラットフォームにも拡大されています。

2. データの一元管理

近年、消費者が様々なネット通販チャネルで買い物ができるようになりましたので、商品コード、注文情報、顧客ニーズなど巨大な情報量の管理は以前よりも一層困難になっています。そのため、従来の販売管理方法が時代遅れになり、誤配送、注文漏れ、最新情報共有不足、不正売上データなどのトラブル発生から色々な弱点が見えてきました。スマートな構成で、便利な機能が搭載されているオムニチャネルの登場により企業の情報管理が一元化され、データが統合されるようになりました。

3. 顧客ロイヤルティの向上

現在、市場拡大より、既存顧客の維持を最優先すべき課題と見なされています。顧客の囲い込みには、企業はまず消費者の心理・購買行動をよく把握して、それにより良質な顧客体験を提供することが必要です。オムニチャネルは、消費者の心理・購買行動の分析に必要となるデータを提供するため、小売業者にとって非常に役立つ要素となりつつあります。

4. 一連のデータを入手

オムニチャネル化によって、顧客がよく購買をした時間帯、SNSで口コミをよく見た商品、お気に入った商品、よく使った販売チャネルなどのデータをより的確に入手し、顧客の本質の購買行動を把握できるようになりました。特に、需要予測に活用した人工知能(AI)の導入と相まって、小売業者が消費者の動向やニーズをより大きな視点で全体的に捉えられます。

手に入れているデータをうまく分析すれば、顧客のニーズに合ったマーケティング戦略を実践でき、売上をさらに伸ばせるでしょう。

まとめ

コロナ禍に加え、情報技術の急速な発展に伴って、消費者の購買行動が変化しつつあります。ポイントは消費の動きを把握して、本業界での位置を確定することです。それで、小売業者は顧客へより適切なアプローチ法を検討しなければなりません。この背景で、小売業者が面している課題の解決策として期待されているオムニチャネルは本業界で最も注目される要素となっています。

次の記事では、オムニチャネル実装に必要となる技術及び注意すべき点についてご紹介しますので、ぜひそちらもご覧ください。

 

参考文献:

https://blog.hubspot.com/service/omni-channel-experience

https://www.statista.com/statistics/1027737/japan-omnichannel-commerce-market-size/

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