fbpx

コロナ禍後のクラウドDX動向の予測

COVID-19パンデミックの影響により、世界中の企業に打撃を与え、IT部門の運用し方を変えざるを得ないプレッシャーをかけています。コロナによる影響の中で一番目立つのは、まるで大規模な技術革命のような、クラウドを活用したデジタルトランスフォーメーション(クラウドDX)の急速な発展だと言えるでしょう。大手調査会社フォレスター・リサーチ社(Forrester)の予測によると、クラウドDXはITトレンドの一つになり、2021年から繁栄に発展していきます。

1. クラウドDXは今や必要不可欠な要素となっています

新型コロナ感染症がますます拡がる状況では、クラウドDXは、企業の存続と発展を支援する効果的なソリューションだと言われています。

コロナ禍をきっかけとしてIT業界をはじめ経済全体が再編されています。多くの企業は危険な状況に直面しています。企業が市場で存続し、さらに発展していくためには、営業形態および管理・運用ポリシーを見直すことを余儀なくされています。特に、コスト削減は中小企業にとって最重要な課題となっています。

一方、この状況は、クラウドコンピューティングサービスを発展させるのに最大の機会をもたらすと言えるでしょう。コロナ禍では、クラウドコンピューティングがそのメリットを証明できましたので、企業にとって2021年がクラウドコンピューティングの導入に絶好の時期であることを認識してきました。 では、いくつかの業界でのクラウドDXの動向を見てみましょう。

1.1. 小売業界におけるDXのトレンド

外出自粛や人との接触制限が続いている背景では、実店舗で買い物をした人が減ってきたため、小売業者は新しい需要刺激策の検討を余儀なくされます。eコマースは最も有用な対策として挙げられています。

スマホを数回タップするだけで、店舗にわざわざ行かなくても商品を購入することができ、注文した商品は自宅まで配達してくれるというメリットで、オンラインショッピングが消費者により速く受け取って、よく使われるようになりました。

小売業界におけるDXのトレンド
Eコマースは最も有用な対策として挙げられています

オンラインショッピングの傾向はコロナ流行時期のみならず、今後も引き続き活発に継続すると予測されています。

1.2. ヘルスケアにおけるクラウドDXのトレンド

患者の数は毎日急増している、今のようなCOVID-19パンデミックの背景で、拡張性と安全性が高いクラウドコンピューティングは、医療機関での患者情報の管理に極めて役立ちます。

膨大な患者のデータをうまく対応できない従来の情報管理システムの代わりに、処理速度も正確度についても要求を応えられるクラウドコンピューティングを活用したシステムが急激な勢いで導入されてきました。

ヘルスケアにおけるクラウドDXのトレンド
クラウドコンピューティングは、医療機関での患者情報の管理に極めて役立ちます

また、コロナの拡大により直接接触が制限される一方で、ヘルスケアのニーズが高まりつつあるため、各医療機関での診療が困難になってしまいました。その故に、クラウドコンピューティングを活用して、患者とのやり取りをオンラインで可能とする柔軟な措置が必要となります。これにより、患者が迅速に治療を受け、医療機関の運用効率が向上することを実現できます。

1.3. 運送業におけるクラウドDXのトレンド

運送業界は大きな変革を迎えているといっても過言ではないでしょう。この業界が抱えている低い利益率、そして複雑なバックオフィス業務の問題点に対して、双方向性のある柔軟な運送システムが求めている中、クラウドコンピューティングは持続的な成長、効率向上及びフレキシビリティをもたらすことが期待されています。クラウドプラットフォームで提供されるサービスを組み合わせて活用することで、企業は販路拡大が加速し、お客様に今までにない体験を作り出せるような改善が可能になります。

経済誌エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が2015年に行った運送業を手掛けている企業のCEOを対象とした調査結果によると、対象者の48%がクラウドコンピューティングによってデータのアクセス・分析・使用が良くなったと述べ、45%が内部経営プロセスの効率が改良されると述べ、そして、45%がクラウドコンピューティング活用によって新しいサービスの市場投入が迅速化できることを示した。

運送業におけるクラウドDXのトレンド
運送業におけるクラウドDXのトレンド

これらは輸送業者にとって競争メリットであり、以下の3つの大きな目標を実現させる効果があります。

・運用活動におけるイノベーション。それはより迅速なプロセスやより簡素な手続により内部プロセス効率化が促進できます。

・売上モデルの再編成。それは、顧客との関係やデータシステムの構築、市場投入期間の縮小、提携先のシステムと相互運用できるサービスの充実です。

・ビジネスモデルの革新。それは、交通・運送のエコシステムを整備し、共有や検索することを最適化します。

2. ForresterによるクラウドDXの動向についての予測

Forresterにより、2021年にはクラウドコンピューティングは企業の「新しい生活様式」への適応能力を高めることが期待されます。2021年内、在宅勤務、オンラインでの買い物、そして外出自粛から解放されるかは、誰も断言できませんが、状況変化に適応するためにどの企業もこれまで以上に敏感にならなければならないことは明らかです。

これからは、世界中の企業のコロナ禍後のデジタル化加速に役立てることを目的として、クラウドコンピューティングに関するForresterの2021年末の予測を3つご紹介します。

2.1 パブリッククラウド市場は新型コロナウイルスにより急速に回復

2019年後半にパブリッククラウドの収益成長率がわずかに鈍化した後、2020年半ばにこの市場が新型コロナ流行により著しく伸び、そして、世界中のパブリッククラウドインフラストラクチャ市場が2021年末まで35%成長し、1,200億ドルに達するとForresterは予測しています。

2019年のクラウド市場シェア
(図)クラウドにおける2019年世界市場シェア (出典:Gartner)

クラウドサービスと言えば、AWSとAzureが最初に思い浮かぶ名前なのではないでしょうか。それらに次いで、世界高収益トップ3位となるのはAlibabaの他にはないでしょう。

Web Services(AWS)などのクラウドコンピューティングサービスプロバイダーは、ポリシーの変更、製品やサービスのアップグレード戦略、およびコストパフォーマンス(価格対性能比)の最適化を通じて、エンタープライズシステム向けのクラウドコンピューティングの利点と利便性を証明しました。

2.2. クラウドコンピューティングでのサーバレスサービスおよびコンテナサービスへの動き  

新型コロナウイルス流行の前に、開発者の約2割が新アプリケーションの開発や既存アプリケーションのアップグレードにサーバレスサービスおよびコンテナサービスを利用していました。

クラウドネイティブスタック
クラウドネイティブスタック (出典: Janakiram MSV)

Forresterの予測によると、この数字はサーバレスの場合25%になり、コンテナの場合30%近くになります。これはマルチクラウドコンテナ開発プラットフォームとパブリッククラウド上のコンテナ/サーバレスサービスの両方に対する世界的な需要の急増を引き起こす起因となっています。

この動きの理由としては、サーバレスサービスの利用によってスケーリングに関する懸念をすべて解消し、企業の負担を大幅に軽減できることにあります。それに加えて、消費した分だけ支払う従量課金制(Pay As You Go)もこのサービスのメリットとなります。さらに、サーバレスサービスでは、開発からデプロイまで合理化された機能、リソースの監視・管理の確実な仕組みなどが提供されているから、多くの開発者がこれを選びました。

2.3. クラウドコンピューティングの災害対策(Disaster Recoveryが重要なポイントに!

CloudEndure-Disaster-Recovery-のアーキテクチャ
CloudEndure Disaster Recovery のアーキテクチャ (出典:Amazon AWS)

コロナ禍を前向きに考えるとすれば、IT企業への外注に依存している、災害対策を整備していない企業がデータセンターの停止などからのデータ復旧能力を向上させるチャンスがあることです。

本番環境のインフラストラクチャと同等の災害対策サイト(DRサイト)を構築するのは、莫大な設備投資コストがかかり、一定期間にわたって減価償却されます。コロナ禍後の困難な財政状況を踏まえて、企業は慎重に検討した上で多額を支出する傾向があります。

そのため、ユーザーは災害対策のサイトなどを用意するコストを負担する代わりに、データのバックアップ、システムの早期災害復旧および完全な災害対策を目指してクラウド上のディザスタリカバリ(DRaaS)、災害対策とも呼ばれるサービスを利用しています。これは、クラウドコンピューティングの大きなメリットとして知られています。

新型コロナウイルス流行の前に、パブリッククラウドでシステムデータや業務データを管理する企業が少なかったですが、Forresterによると、企業の20%が2021年末までに災害対策(DR)をパブリッククラウドにシフトすることが予測されています。また、シフトした企業はオンプレミスに戻さないことも見通します。

3. まとめ

前章では、ForresterのクラウドDXに関する予測及びコロナ禍後の企業のデジタル化におけるクラウドDXの推進力のハイライトのみをご紹介しました。そのほか、ソフトウェアとソフトウェアのライセンス購入時の習慣が変わったり、クラウドソリューションへの興味が再び高くなったり、またクラウド上のデータ保管方式や保管場所などに関する新しい規定が初めて注目されるなどの動きも明らかに見えます。

4. 株式会社VTIについて

ベトナムにおける僅かなAWSアドバンストコンサルティングパートナーの1つとして、株式会社VTIはアプリケーションの構築と開発、エンタープライズ向けのクラウドへのデータ&システム移行など、クラウドコンピューティングを活用したデジタルトランスフォーメーションサービスを提供するベトナムにおける先駆的なオフショア開発企業として活動しています。

そのうえ、小売、輸送、金融、インターネットサービス、建設など多岐にわたって、ソフトウェア開発、システムの運用支援と保守、AI、IoT、デジタルトランスフォーメーションのサービスを提供しています。

手掛けている業界での知識と経験を活かして、お客様に最高のオフショア開発サービスをご提供することで、お客様の経営課題の解決、売上の成長及び運用コストの削減にお役に立てることを目標としております。

ご質問・ご相談・資料請求等は、お気軽にお問い合わせください。

———————

参考資料:
2021年におけるクラウドコンピューティングの動向–フォレスター予測

Increasing application resilience with CloudEndure Disaster Recovery

What is the modern cloud native stack?

Predictions 2021: Cloud Computing

Posts Related

vti-cloud-computing
クラウドコンピューティングとは?クラウドコンピューティングについて知っておくべき基本的な概念

多種多様なメリットをもたらすクラウドコンピューティングは近年、ますます多くの企業や組織で使用され、インターネット上のデジタル革命として見なされています。この記事を通じて、読者にクラウドコンピューティングに関する基本的な概念をご紹介します。 クラウドコンピューティングとは? AWSのウェブサイトでは、クラウドコンピューティングを、クラウドサービスプラットフォームからインターネットを経由してITリソースをオンデマンドで従量課金制で利用できるサービスと定義しています。物理的なデータセンターやサーバーを購入、所有、維持する代わりに、クラウドプロバイダーから必要な時にコンピューティング、データベース、ストレージといったリソースへ簡単にアクセスすることができます。 Amazon Web Services(AWS) クラウドコンピューティングの導入で得られるメリット クラウドコンピューティングは、開発者がデータやソフトウェア、ハードウェアを管理および格納するためのコストとリソースに関連する大課題を解決するのに役立ちます。 そこに留まらず、インフラストラクチャサービス(IaaS)、ソフトウェアサービス(SaaS)、プラットフォームサービス(PaaS)など、デマンドに応じてさまざまなクラウドユーティリティサービスを提供します。要するに、使用した分を支払うだけで済みます。以下でクラウドコンピューティングの主な利点をまとめてご紹介します。 コスト クラウド導入で得られるメリットでいうとまずはコスト削減でしょう。従来は事前にデータセンターなどに多額を投資し、毎年運用や保守の費用を負担しなければなりませんでしたが、クラウドサービスを利用することで、利用料金として実際に使った分のお支払いのみになります。 パフォーマンス クラウドの利点として次に挙げられるのはパフォーマンスです。最大のクラウドサービスは、世界的な安全なデータセンターで動いています。それらはもちろん、性能とセキュリティを向上させるために定期的にアップグレードされるものです。1 企業ぐらいの小規模なデータセンターモデルと比べて、ネットワーク遅延の低減や経済効果の向上など、プラスのメリットをもたらします。  

サーバーレスの解説とメリット・デメリット

サーバーレスとは、文字通りに「サーバーがなし」との意味があります。現在、サーバーレスは非常に人気のある技術であり、世界中の多くの大企業や会社によって使用されています。この記事では、VTIはサーバーレスの概念、このアーキテクチャの導入件数が増えていく理由、およびその長所と短所についてご紹介します。 サーバーレスとは何か?   実際、サーバーが完全にないわけではないが、第三者(サードパーティ)が開発者に必要に応じて提供する、データベース、メッセージ、認証などの機能、サービスを使用することです。 サーバーレスでは、オペレーティングシステムやファイルシステムの管理、セキュリティパッチ、ロードバランシング、容量管理、スケーリング、ロギング、モニタリングなどの一般的なタスクがすべてクラウドサービスプロバイダーに管理されます。 従来のサーバーモデルでは解決できない問題 クラウドコンピューティングは、コストの問題を解決するとともに、Elastic(伸縮性)、High Availability(高可用性)などの要素を確保するサーバーの構築をより簡素化するために生まれました。ただし、従来のサーバーモデルでは次のような制限があります。 コストの面:サーバーの数を適切に増減することは、サーバーの負荷が低い時にコストを削減できます。ただし、すべてのサーバーをオフにすると、システムが完全にオフになって要求に応答できなくなるため、これは実行不可です。 時間の面:処理量が多い場合、サーバーの数を増やす必要が発生する時点からリクエスト処理の開始ができるまで、一定の時間がかかります。その要する時間はサーバーの設定によって異なります。 リクエストの数が急増減する時、システムがタイムリーに反応できなくなり、過負荷あるいは負荷不足の状態になる可能性があります。 サーバー数量の面:サーバーのスケールアップ・スケールダウンのために、システムのサーバー数の上下限を指定する必要があります。こういうことは、サーバー数の判断が間違っている、つまりサーバーの最小数が大きすぎるか最大数が少なすぎると、システムの負荷不足、又は過負荷になるという問題につながります。 メンテナンスの面:サーバーの実行では、システムが最適に動作するように、OSおよび使用しているサービスを更新する必要があります。更新時にサーバーが稼働停止(ダウンタイム)になりますが、サーバーの数が多いほど手間が多くかかります。 サーバーレスのメリット 基本的には、サーバーレスアーキテクチャでは、開発するシステムはサードパーティによって完全に管理されるサーバーに実装されます。このように、サーバーレスを活用することにより、サーバーの存在を意識せずに設計に集中することが可能になります。以前は、オンラインアプリケーションを実装するには、必要なサーバーの数、使用容量、およびデータベースを事前に知る必要がありました。

Cloud-computing-points
クラウド移行を効果的に行うためのポイント

クラウドコンピューティングは安全で安定的かつ費用対効果の高い環境を求める企業の要請に柔軟に対応できるために誕生されたものです。その出現とともに、ここまで企業によく使われているオンプレミスからクラウドへの移行というニーズが高まってきています。この記事を通じて、VTIは企業の経営面と技術面においてクラウド移行の効果を最大化できるためのポイントを挙げますので、ご参考にしていただければと思います。 クラウド移行のメリット 近年、世界中の企業は既存レガシーシステムやオンプレミスシステムを柔軟性、拡張性及び費用効率が高いクラウド型プラットフォームに置き換える傾向があります。ITコストの削減、改革の加速など様々な理由で、企業がクラウド移行を始めました。その中で、3つの最も目立つ利点を見てみましょう。 1. セキュリティとデータ保護の強化 IT担当者を対象としたデロイト社の調査によると、対象者の58%は、クラウドへの移行を決定する時にデータ安全性を第一と第二の要素として格付けました。 サイバー攻撃がますます巧妙になっている中、データ保護対策を迅速に導入しなければ、企業は非常に大きな損失を被る可能性があります。この問題に対しては、クラウドサービスプロバイダーはオンプレミス環境の固有の弱みをクラウドの強みに変えることを目指し、セキュリティとデータバックアップシステムに重点を置いておきます。 さらに、システムのセキュリティ状況を簡単に管理するためにセキュリティ分析、自動更新、データ可視化など、プロバイダーによって多様なサービスが提供されていますので、企業は自社のニーズに応じて選択できます。サービス利用規約を遵守する限り、クラウドでのデータ保護に心配する必要がありません。 2. データモダナイゼーション クラウド移行、つまり古いデータベースから最新のものへ移行することにより、企業はより安易にデータを開拓し、コスト、消費者需要、将来の購入量など必要な情報を手軽に分析・予測できるようになります。それゆえに、このようなデータモダナイゼーションはクラウド移行の2つ目の魅力となっています。 上記と同じ調査結果では、安全性に次いで、クラウドへの移行を決定する時に重要な要素がデータモダナイゼーションだと回答したのは対象者の55%でした。 3. コスト最適化 クラウドコンピューティングというのは企業インフラストラクチャーを仮想化しているとイメージしても良いでしょう。すべてのリソースをクラウドに移行することだけで、企業は物理的なハードウェア、システム設置などの多額の投資費用を削減することができます。クラウドプラットフォームでは、コンピューティングリソースを予測する代わりに、企業は必要なリソースを柔軟かつ迅速に調整し、オンデマンドの形で使った分だけ支払う(Pay