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不動産イノベーションにおけるアジャイル-スクラムとRubyの最適化

1月 27, 2025

不動産テクノロジー企業であるお客様は、日本のプレミアム不動産市場向けのオンライン不動産プラットフォームの構築を必要としていました。2016年に立ち上げられたこのシステムは、ユーザー向けの「MyPage」と管理者向けの「MS-Web」という2つの主要コンポーネントで構成されています。現在、MyPageには40,000人のユーザーが、MS-Webには400人の管理者が登録されており、AIによる価格査定やキャッシュフロー管理、コンサルティングサポートなど、不動産取引を円滑に進めるための高度な機能を搭載しています。

プロジェクトの要件:システム機能

  • MS-Web:検索と管理機能の強化
Admin MS-Web
管理者向けのMS-Web

MS-Webは、建物、賃貸物件、売買物件を検索し、購入・賃貸・売却に関する問い合わせを行う機能を提供します。また、閲覧数の多い上位100件の建物リストを表示し、人気度に基づいて情報に基づいた判断を支援します。

管理者にとって、MS-Webは強力な管理ツールとして機能します。アクセス管理によるデータセキュリティの確保、注目物件の管理・表示、ItandiBBなどの外部システムとのデータ同期を実現し、効率的な不動産管理とユーザー対応を可能にします。

  • Mypage:不動産管理と取引サポート
User Mypage
ユーザー向けのマイページ

Mypageは、個々のユーザーに向けた不動産管理・取引追跡ツールを提供します。所有する物件を登録し、AIを活用した売却・賃貸の価格査定を受けることが可能です。

本プラットフォームには、不動産の売買をサポートする様々な機能が搭載されています。ユーザーは、オファーのリクエスト、問い合わせから契約締結までの取引状況の管理、価格調整、アドバイザーへの相談などを行うことができます。また、不動産に関する学習コンテンツや、お知らせ機能、ユーザーごとにカスタマイズされた検索機能なども提供し、ユーザー体験を向上させています。

管理者向けには、ユーザーデータ、物件リスト、プロモーションキャンペーンを管理する機能が含まれています。管理者はチャットのやり取りを監督し、バナーをアップロードし、プラットフォームの各種ツールに対するユーザーのエンゲージメントを監視することができます。

課題:複雑性の克服

本プロジェクトでは、以下のような課題がありました。

  • 複雑なバッチ処理:多くの複雑なバッチ処理やプロセスが含まれ、広範な研究と試行が必要でした。そのため、VTIのプロジェクトチームはセキュリティを確保するために開発環境で各バッチを分析・テストする必要がありました。
  • 外部システムの統合:ResonyやItandiBBなどの外部サービスとの頻繁なAPI呼び出しがパフォーマンスに影響を与える可能性がありました。プロジェクトチームは負荷テストを実施し、API呼び出しの最適化を行いました。
  • マルチプロジェクトの調整:バックエンド・フロントエンド・インフラの統合に技術的な課題がありました。VTIは、お客様に詳細なセットアップ・ビルド手順書の提供を依頼し、ワークフローの標準化を図りました。

VTIのアプローチ:戦略的なアジャイル・スクラムの導入

Technical Overview
技術概要

フェーズ1:システム理解と基盤構築

  • システム調査:SA、PM、BA、BrSEで構成されるチームが、システム要件・インフラ・通信手段を徹底的に分析。
  • 環境構築:ローカル環境にシステムをデプロイし、AWS開発環境とステージング環境の管理権限を取得。

フェーズ2:アジャイル開発の実施

  • スプリント計画:BrSEがプロダクトバックログからチケットを割り当てる。
  • 日次会議:継続的な情報共有を通じて進捗を管理し、課題を迅速に解決する。
  • 開発プロセス:
    • 要件分析:お客様の資料を基にSRS(ソフトウェア要件仕様書)とテストケースを作成。
    • コーディング:工数を見積もり、コーディング、単体テストを実施。
    • テスト:結合テスト(IT)、受け入れテスト(UAT)を実施。
    • スプリントレビューと振り返り:進捗評価と改善点の特定。

技術スタックとプロジェクトフレームワーク

技術スタック

  • 開発言語:Ruby
  • その他:AWS / React / VueJS / Ruby on Railsフレームワーク

プロジェクト規模

  • 人数:14名
  • 期間:2023/10/1~2024/9/30
  • アウトソーシングモデル:オフショア・オンショア
  • 開発モデル:タスクベース(タスク単位で開発)
  • 開発手法:アジャイル・スクラム

Rubyとアジャイル・スクラムの活用によるVTIの成功実績

Ruby on Railsの「設定より規約(Convention Over Configuration)」という原則と豊富なGem(ライブラリ)を活用することで、他のフレームワークと比較して開発時間を50%短縮することに成功しました。さらに、アジャイル・スクラムによる反復開発と継続的フィードバックにより、機能提供のスピードを15%向上させながら、高品質なコードを維持しました。

アイデアをより迅速に、より賢く、より効率的に実現したいとお考えの方は、ぜひVTIにご相談ください。皆様のプロジェクトを次のステージへ導くお手伝いをいたします!

事例