ローコード開発プラットフォームは、企業が最小限のコーディングでソフトウェアを迅速に開発できる開発環境を提供し、広範なコーディング経験の必要性を軽減します。 開発者も非開発者も、これらのツールを使用して、カスタマイズされたワークフローと機能を備えた迅速なアプリケーション開発を実践できます。
ただし、どうやって自社に適するローコードプラットフォームを選択するかを悩んでいる企業が少なくありません。本記事では、ローコード開発業界をリードするトップ4の比較とともに、最適なローコードプラットフォームを選ぶコツを説明します。
1. ローコードプラットフォームについて概要知識
1.1.定義
ローコードは、開発者が最小限のハンドコーディングで多様なアプリケーションを開発できるようにする、ソフトウェア開発への視覚的なアプローチです。ドラッグ アンド ドロップ モデラー、事前構築されたテンプレート、直感的な UI などの高度なツールを備えたローコード プラットフォームにより、開発者はアプリをより迅速に設計および展開できるようになります。
1.2. ローコードのメリットとデメリット
メリット:
- アプリ超速度開発により、開発時間が短縮されて、コストを大いに節約できます。
- IT人材に十分に依存せず、社員がアプリ開発を行えることは、会社の内製化を加速するとともに、雇用費用を削減するのに役立ちます。これは、デジタル人材不足の解消に繋がります。
デメリット:
- 開発する人によってアプリの品質にばらつきがあります。
- 開発者でないとアプリの中身が分からない、つまりブラックボックス化という問題が発生します。
- 検証や品質保証が不明確で、ガバナンス・セキュリティが保てません。それに、障害発生が発生すれば、それに対応しにくいです。
*おすすめの参考ブログ:ローコード開発とは?知っているべき入門知識
2. トップローコード開発プラットフォーム
2.1. Microsoft – Microsoft Power Apps
概要:
Microsoft のローコード開発プラットフォームであるパワープラットフォーム(Power Platform)にはMicrosoft Power Apps 、Microsoft Power Automate、Microsoft Power Virtual Agents等があります。そのうち、アプリ開発業界ではアプリ開発を迅速かつ容易にサポートするMicrosoft Power Appsは多くの企業に導入されています。本記事では、Microsoft Power Appsについて話します。
Microsoft Power Apps は、モダンアプリケーションや複雑なソリューションを開発・運用することをサポートするアプリ開発ソフトウェアです。Power Appsで作成されたアプリは、ビジネスの業務やプロセスを自動化・効率化させるし、企業の事業成長と生産性向上に役立ちます。「The Forrester Wave™ Low-Code Development Platforms for Professional Developers Q2 2023」の結果によると、Power Appsは最強のローコード開発プラットフォームと評価されます。
メリット:
- 超速度開発の支援:最小限のコーディングでアプリ開発をより迅速かつ容易に開発可能。
- クラウドベース:クラウドベースプラットファームなので、どこでもいつでもアクセス可能。
- 統合可能:Dynamics 365、SharePoint、Office 365等、さまざまなMicrosoftのツールと統合しやすい。
- DevOpsの実装:DevOpsのプロセスとパイプラインの自動化、アプリケーションライフサイクルの管理、コラボレーション、アプリの拡張をサポートするツールを提供。
- データソース連携可能:データベース、API、クラウドサービス等、さまざまなデータソースと連携しやすい。
- データ可視化:Power BIを活用することで、可視化するデータ、ダッシュボード、レポート等を作成可能。
- プロセスオートメーション:Power Automateと統合することで、ワークフローを自動化可能。オートメーションを促進する強力なAIの機能を提供
- 拡張性:あらゆる規模のアプリに柔軟に対応可能。
- カストマイズ可能:カスタマイズできるデザインと機能を提供
- セキュリティ:厳格なMicrosoftのセキュリティポリシーに従う
- コミュニティ:2022年に、Microsoft Power Platform は、2,000 万人を超えるユーザーに定期的に使用されるというマイルストーンに達した。また、2024現在で、同プラットフォームには、882.000人以上のメンバーを擁する大規模コミュニティがあります。これにより、ユーザーはプロフェッショナルのアドバイスを容易に受けられる。
デメリット:
- コスト:かなり高い。プロジェクトが大規模になればなるほど、コストが高くなる。
- Microsoft以外のシステムと統合しにくい:Microsoft以外のシステムと統合することは思ったより複雑。
- 高度なカスタマイズが制限:高度なカスタマイズには高度なコーディングスキルが必要。
2.2. OutSystems
2021年に登場したOutsystemsは、ローコード市場を牽引するリーダーの一つとして多く知られています。これはアプリケーションを迅速・堅牢に開発することを目的として、設計から、デザイン、テストに至るまで、アプリのライフサイクルをまるごとサポートするローコードプラットフォームです。最新バージョンのOutsystems 11及びOutSystems Developer Cloud (ODC)は、クラウド、AIなどの先端なテクノロジーを活用して、アプリ開発の複雑さを軽減するとともに、レガシーシステム対処、デジタル人材不足等、従来企業が直面している多くの課題を解消するのに大いに役立ちます。
メリット:
- フルスクラッチ開発の支援:、フロントエンドインターフェイス、バックエンドサーバーインフラストラクチャ、データベースの設計と開発等、アプリ開発にわたる全ての段階を支援。
- 外部システムと統合可能:SOAP Web サービス、REST API、SAP システム、Salesforce CRM などとのシームレスな統合が可能。
- 堅牢でセキュアなアプリを容易に開発:素晴らしいUI/UX、AI搭載のビジュアル開発環境、エンタープライズレベルのスケーラビリティとセキュリティとライフサイクルオートメーションの組み合わせで、アプリの超速度開発を提供。
- AIツール:摩擦、長いリードタイム、エラー、技術的負債を削減するためのAIツール提供。適応されたパターンまたは事前構築されたコンポーネントを自動的に生成するためのAIツール提供
- DevOpsの実装:従来のDevOpsの無限ループをよりシンプルにします。
- デプロイメント:オンプレミスまたは複数のクラウドの両方で導入。
- セキュリティ:自動生成されるアプリは、ビルド前にセキュリティチェックが行われる。生成されるソースコードは、すべて脆弱性診断ツールによる検査に合格したものだけとなるので安全。
- 拡張性:OutSystemsの多くの機能には拡張性がある。
- データ可視化:AIを活用する視覚的な開発環境、ピクセル完璧のUI/UXにより、データを可視化可能。
- サポート:ユーザーがアプリケーションのインタフェースについて簡単に、直接にフィードバックを伝えることができる機能を備える。
- コミュニティ:500.000近くのコミュニティを通じて、ユーザーが専門家の方法などを得て自分のアプリを最高なバージョンにすることができる。
デメリット:
- コスト:大規模のアプリ開発の場合、開発と運用コストが高い。
- 高度なカスタマイズが制限:高度なカスタマイズには高度なコーディングスキルが必要。
- データ移行:他のプラットファームからデータをOutSystems へ移行することが難しい。
2.3. ServiceNow
2004年に登場したServiceNowは、ITマネジメントワークフローを自動化するためのクラウドベースプラットフォームを提供します。ローコードが発展する中で、ServiceNowはローコードを活用するアプリ開発のApp Engine Studioを提供します。Microsoft、OutSystems と共に、ServiceNowはローコード開発業界のリーダーとして位置づけられています。
メリット:
- アジャイルのアプリ高速開発:ベストプラクティスのテンプレートが豊富なので、ゼロから開発する必要がなく、アプリケーションを迅速に開発可能
- プロセスオートメーションツール:Service Nowのローコード ワークフローの自動化、アプリケーション統合、生成 AI、ロボティック プロセス オートメーション (RPA) 機能と統合しやすいため、単一のプラットフォーム内でミッションクリティカルなプロセスとタスクを自動化することが可能。
- データ可視化:可視化するレポートを作成・管理することが可能。
- ガバナンス:ガバナンスとポートフォリオ管理のためのすぐに使える (OOTB) 機能はアプリケーション ポートフォリオ全体の制御されたエンドツーエンドのビューを提供する。
- 外部システムと連携:社内外のさまざまなシステムとの接続が簡単。
- 強い統合ツール:600以上のコネクターを持つ統合ツール。
デメリット:
- DevOpsの実装:DevOpsの実装をサポートするが、進捗状況の測定や、プロセスのボトルネックの特定などが難しいい。
2.4. Mendix
Mendix は、モバイルおよび Web アプリケーションを大規模に構築し、継続的に改善できる生産性の高いアプリ プラットフォームです。 Mendix プラットフォームは、構想から導入、運用に至るアプリケーション開発ライフサイクル全体にわたってエンタープライズ アプリケーションのデリバリーを加速するように設計されています。
メリット:
- フルスクラッチ開発の支援:データ モデルの作成から統合まで、アプリケーションを一つのプラットフォームだけで迅速に開発可能。
- チーム開発のための強力なツール:最も堅牢なローコード コラボレーションおよびコミュニケーション ツールを使用して、チームとプロジェクトの連携を維持する。
- クラウドネイティブデベロッパーとデプロイメント:Mendix で開発されたすべてのアプリケーションは、クラウドネで開発または導入される。 開発者は、パブリック、プライベート、ハイブリッド クラウド、オンプレミスなど、どこにでも導入および拡張できる自由と柔軟性を備えている。
- 社内外のシステムと連携可能:REST コネクタ、データベース コネクタ、イベント ブローカー/ビジネス イベント機能を使用して、他の外部または内部のシステムおよびサービスと統合可能。
- AI/ML搭載の機能:Mendix は、プロセスを合理化するために仮想共同開発者ボットによって AI 強化されており、埋め込み機械学習モデルと API ベースの統合をサポートする最初の LCAP である。
- ガバナンス:アプリケーションごとだけでなくプラットフォーム レベルでもセキュリティ制御を監視および適用する機能。
- DevOpsの実装:DevOpsをより柔軟かつ迅速に実装可能。
デメリット:
- 高度なカスタマイズが制限:高度なカスタマイズには高度なコーディングスキルが必要。
- ライセンス料が高い:プロジェクトが大規模になればなるほど、ライセンス料が高くなる。
3. 自社の事情に合わせたローコード開発プラットフォームを選ぶコツ
さまざまなローコードプラットフォームから自社の事情に合わせたローコードプラットフォームを選べることは、自社の問題と目標次第です。どのような問題を解決しようとするか、企業の目標を達成するために何が優先するか、その質問を事前に答えなければなりません。また、前述したように、ローコードのデメリットとして多くのプラットフォームではガバナンス・セキュリティが保てないので、ローコードプラットフォームを検討する時に、セキュリティにも重視しなければなりません。
以下では注意するべき点をリストアップします。
- 開発しようとするアプリのタイプ:一部のローコード プラットフォームは、BPM やケース管理ソリューションなど、特定のユースケースに焦点を当てています。しかし、ローコードへの投資を最大限に活用しながらデジタル変革をサポートするソリューションを求めている場合、ワークフローを超えたプラットフォームを優先すれば方がいいいです。
- セキュリティとサービスの品質:ほとんどのローコード プラットフォームは、自動テストや既存のテストツールとの統合などの組み込みセキュリティメカニズムを提供します。ただし、顧客向けアプリの外部ソリューションまたは自社ソリューションを作成する場合、基本的なセキュリティを超えるプラットフォームが必要です。
- ガバナンス:多くのローコード プラットフォームは、組織がアプリのバックログを削減できるように、市民開発者をターゲットにしています。 しかし、このアプローチはセキュリティと統合された負債につながる可能性があります。したがって、IT とビジネス関係者の間のビジュアル コミュニケーションと相互コラボレーションを促進するプラットフォームを探してください。
- DevOps の実装:適切なローコード プラットフォームは、チームの従来の DevOps ツールを補完し、共存させる必要があります。
- 統合とAPI:戦略的なソフトウェアを継続的にデリバリーするには、アプリを最も一般的なエンタープライズ データベースやコア ERP、CRM、HCM、SCM システムに接続できるプラットフォームを探す必要があります。API エコノミーの時代には、開発チームが API を介してデータを利用したり公開したりすることも容易になるはずです。
- 拡張性:多くのローコード プラットフォームは、制御と柔軟性を犠牲にして開発者の生産性を向上させます。したがって、アプリ開発をスムーズに促進するプラットフォームを必ず探してください。
- ライセンスの明確さと予測可能性:価格設定には細心の注意を払ってください。 多くのプラットフォームは「安価な」価格で開始されますが、ユースケースが拡大するにつれて、より多くの製品とライセンスが必要になります。
4. VTIグループ
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