オフショア開発のメリットと言えば、開発のコスト削減は第一です。それをわかっているが、どの国が委託先の良い選択か悩んでいる方が多数いると思っています。現在だと、中国、インド、フィリピン、ベトナム、ミャンマーなどが挙げられますが、一番注目を集めているのはベトナムです。
それでは、ベトナムオフショア開発の単価相場を見に行きましょう。
1. ベトナムオフショア開発の単価相場は?
一般的、開発費用は、エンジニアの人月単価×開発工数で計算されます。
「工数」というのは、作業を行うのに必要とされる「人数 × 時間」のことです。「工数」は「人日」「人月」といった単位で表します。
例えば、1人で作業して3ヶ月かかる作業量と、3人で作業して1ヶ月でこなす作業量はどちらも同じく3人月と表します。)
オフショア開発の発注先によって「エンジニアの人月単価(開発要員の人件費)」がずいぶん異なります。
細かく分けると、
- エンジニア単価(1ヶ月当たりで技術者に支払われる費用)
- コミュニケーター単価(諸外国と意思疎通するブリッジやコミュニケーターに支払われる費用)
その中で、エンジニア単価が主な要素となるので、具体的に、各国のエンジニア人月単価がどうなっているか比較していきます。
2. 国別に見るエンジニアの人件費の相場

※ブリッジエンジニアの人件費は、メンバークラスのエンジニア単価の+20%から40%前後
3. ベトナムのエンジニアの人月単価
ベトナムのエンジニア単価は、おおよそ月額25万円から40万円で、中国・インドより低価格です。
ベトナムオフショア開発のメリットは、コストパフォーマンス(費用対効果)の良さです。というのは、値段の安さの割に高い性能や使い勝手の良さを持っているのです。
日本よりも安価な人件費でありながら、10年以上のオフショア開発経験を持つベトナムは国の政策によって優秀なエンジニアが多数排出されているため、コストパフォーマンスが高いと言えるのでしょう。
なお、ベトナムより単価が安い国であるミャンマーはオフショア開発において後発国なので、開発体制やオフショア開発の体系化はまだ進んでいないようです。その結果、委託内容によっては工数が必要以上に増えて、むしろ人件費の高い国よりも費用がかさんでしまう可能性があります。
だから、開発を委託する過程で注意すべきのは安いからといって技術力の低いエンジニアに開発を依頼しないことです。費用とともに、品質確保を十分に考慮に入れる必要があります。
まとめ
オフショア開発では、コミュニケーション上の障害、現地のITインフラの整備、政治的安定性なども開発に影響を与える要素です。低価格と、高品質、またこれらの要素のちょうどよいバランスを図る日経企業なら、ぜひベトナムオフショア開発を検討してみてください。
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IT需要が今後拡大する一方で、日本は少子高齢化が顕著で、人材確保が難しくなっています。経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」(平成28年)によると、IT人材不足は今後ますます深刻化し、2030年には、(中位シナリオの場合で)約59万人程度まで人材の不足規模が拡大するということです。それに対する対策として、海外の開発会社に委託するというオフショア開発が挙げられます。 現在、日本が進出しているオフショア開発先に中国、ベトナム、インドネシア、インド、マレーシア、フィリピンなどがありますが、ベトナムは最も注目を集めていると言われています。それでは、ベトナムオフショア開発が選ばれている理由はなんでしょう。 1.豊富で、優秀なIT人材 ベトナムの総人口に占める生産年齢人口 (15歳~64歳の人口) が増え続け、その中、IT従事者が40万人となっています(2020年)。 国のSTEM(科学、技術、工学、数学)を重視した教育政策への取り組みのおがけで、今後も若く優秀なIT人材が増えることが予想されています。TopDevの「VIETNAM IT MARKET REPORT 2020」によると、IT分野の年間卒業者数が5万人近くです。また、中学校2年生から、アルゴリズムとプログラミング授業もカリキュラムに入っており、IT人材の輩出が国策として掲げられています。 なお、オフショア開発と言えば、失敗する原因だとされているのは「コミュニケーション不足」という問題です。だが、現在のベトナムでの日本語教育の拡大を見ると、懸念不要です。学習者数が急速に増加し、2018年度日本語教育機関調査速報値によると、約17万5千人で世界6位となります。この数年、ベトナムのトップ大学では、情報技術学生向けの日本語教育にも取り組んでいるので、日本語ができる開発者数が増加しています。日本語が得意なベトナム人が、ブリッジSEとして重要な役割を果たしています。 優れた専門知識・日本語能力に加え、ベトナム人のITエンジニアは向上心が強く勤勉だと評価されています。 2.価格競争力 IT業界で、コストの削減を図る企業であれば、ベトナムをオフショア開発先として検討すべきだと考えています。なぜかと言えば、日本人のITエンジニアの平均年収は約600万円で、ベトナムの~4倍となっています。
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